2021年度 里芋

1/11 今まで里芋は茹でてから食していた。しかし!私は間違っていた!間違っていたのだ!
里芋は断然蒸して食べるべきであります。うま味がギュッと濃縮され味わいが違うのです。さて、蒸して食べてみると潰したくなるのが人情というもの。その例にたごうことなく、ねっとりとした里芋をスプーンでザクザクと潰します。

潰してみると丸めたくなるのが人情というもの。その例にたごうことなく、原型の無くなった里芋を掌で転がし団子へと成形してきます。そして、片栗粉をつけたりゴマをつけたりしてみます。

丸めれば揚げたくなるのが人情というもの。その例にたごうことなく、熱々の油へ容赦なく里芋団子を投入。鍋にて踊る里芋の顔色がキツネ色になったところで取り出す。
そして、菊芋スープと一緒に食す。素揚げは里芋のうま味が逃げ出して若干硬くなっていた。片栗粉は外側がサクッとしているが中はねっとりで、とてもウマイ!ゴマはそれに香ばしさがプラスされた感じでこれもウマイ!

里芋の奥深さが今回の調理でよく分かった。手間暇をかけねばならぬのだ!
どうか里芋よ!私の愚かしさを呪ってくれるな。
1/17 往時の姿は見る影もなくなってしまった里芋。あの時のおまえはどこに・・・、そう言いたくなるようなお姿であります。
植え替えをした里芋が残り7株。本日はその中から2株、小さいものを収穫。

小さな子芋が10個ほどついておりました。これでも自生里芋よりも収量が多いので、非常に満足。

1/24 本日は蒸し野菜で晩餐会。ねっとりとしてうま味が濃くて蒸し里芋はとてもウマイ!

蒸すとウマイことに気を良くし、蒸し団子も作ってみる。写真の下4つが里芋団子で、蒸して潰した後、片栗粉を混ぜ丸めやすい硬さにしたものだ。湯気が目の前で踊る中プニプニの団子を箸でつまみあげる。一口入った瞬間にこの料理が失敗だったと分かる。片栗粉を入れた為、食感が固くなってしまったのと、里芋のうま味がかなり薄まってしまったのだ。しかし、味わいじたいは悪くないと思ったので、改良の余地ありだろう。

1/30 本日は里芋の鑑賞会としゃれこみましょう。下の写真は整ったラインをお持ちの里芋です。
一番下のコブが種芋で、真ん中の大きな丸いものが親芋です。この寸胴型の親芋をよく見てみると皮に節目がついており、緑のイボがでているのが分かるかと思います。

イボをアップしてみましょう。ご覧のようにイボが肥大化したものが子芋だとわかるでしょう。これほどイボ同士が近いと、隣のイボとすぐ干渉してしまいそうに見えます。隣のイボと競り合ったり、取り込まれたりしながら大きくなり、様々な形の子芋が生まれてくるのでしょう。
しかし、この里芋の形はタケノコに非常によく似ております。今年はタケノコのイボもしっかりと観察してみよう。

この里芋は子芋、親芋、種芋全て蒸しました。そして、種芋を試食してみます。
うむ・・・、えぐみが気になる。親芋よりやや硬めである。食べれるのは食べれるが、あえて食べたいとは思わないし、この部分は畑の栄養となってくれた方がよいでしょう。ということでポイっと袋へ。

残りの芋はひき肉やらなんやらを混ぜてコロッケになってもらいましょう。

かなり粘って混ぜやすくまとまりやすい。ジャガイモより使い勝手が良さそう。

里芋の粘りっ気が出た特徴のあるコロッケに仕上がりました。なかなかウマイがジャガイモほどの満足感は無い。水分が多い為だろうか・・・。少し小さめに作り、別のコロッケとセットで食べるのが理想的かと思う。

2/6 最近、ちまたでブレイクしている潰す料理。私もブレイクに乗っかり里芋をつぶす。そして小麦粉と混ぜる。

かなり柔らかめの皮に仕上がり包みにくかったが、なんとかササゲの餡を収納した。

そして蒸す。15分ほど蒸し、蓋を開けてみるとふかふかの饅頭になっておった。

トロリとした里芋の特徴が出ているがうま味が少なくなってしまった。近頃人気のフワッとした皮や、モチモチとした皮に対抗するには、里芋饅頭のようにネットリ系で勝負するのもありかもしれない。

2/13 潰して使いにくい親芋を煮付けにする。子芋に比べると粘りやうま味が少なくて微妙なおいしさだ。形が崩れないのでもっと煮込むオデンなどがいいかもしれない。

子芋はカレーに入れて使用する。粘りがあってカレーに入れても美味しい。子芋はどんな料理にも合う便利な食材だ。

2/20 3株残していた里芋を本日全て収穫。最後に里芋の形を観察したいと思います。
里芋は親株の周りに子芋がゴツゴツと引っ付いていて見た目が気持ち悪い。根っこもあちこちから出ているので映画に出て来る怪物のように見えなくもない。こんな見た目のものがウマイのだから生物とは不思議なものだ。

前回の鑑賞会ではイボが芋になると書きましたが、実際には根にもなっているようだ。イボの中で優位に立ったものが芋になり、その他の周りのイボは根を伸ばし、優秀なイボを支援するのだろう。理想的な組織社会を里芋が体現しておったわ。

さて、ところを調理場へと移しましょう。こちらでは蒸し里芋を、潰した里芋の皮で包む料理を作っております。

少しだけ片栗粉を加え硬さを調節し里芋を包みます。包みやすい生地ですし、手にベタベタとくっつかない。里芋の皮は使い勝手が良さそうです。

今回は天ぷら粉で揚げてみました。衣もつきやすい生地で料理しやすい。

断面図を見てみると皮と塊の区別が付きにくいですが、少し歯が入った後に、歯が塊に当たることが感じられました。ただ、皮も塊も同じ味になっているので塊の中にさらに何か入れてみたい気がする。

2/27 ロールキャベツの具材に潰し里芋を投入。

ロールキャベツらしさが無くなったが、ねっとりとした食感でウマイ。里芋だけのコロッケよりいいかも。

3/5 残り少ししかない里芋をササゲに投入してみた。砂糖を入れた甘い餡子なので里芋のうま味はあまり感じられなかった。オヤツむきではなさそう。

3/7 再度、里芋の里芋巻きに挑戦した。今度は塊の里芋に肉を巻き、それを潰し里芋の皮で包む。そして片栗粉をつけてひっつかないようにしてから揚げる。

里芋だけの時よりは食感に変化があって面白かったけども、味が単調なのは同じだった。具にもう少し工夫が必要である。

3/5 残り少ししかない里芋をササゲに投入してみた。砂糖を入れた甘い餡子なので里芋のうま味はあまり感じられなかった。オヤツむきではなさそう。

3/14 里芋の親芋を蒸すのではなく茹でてみた。30分ほどしっかりと茹でたため、ホクホクの仕上がり。親芋は蒸すよりも茹でた方がいいと思った。

これで今季の里芋は使い果たしてしまった。収穫後、家に置いていても傷みにくいし、料理の幅も広く、非常に使い勝手の良い食材。さらには栽培もとても簡単である。家庭菜園では是非植えておきたい一品であるし、購入してでも欲しい一品でもある。
昨年はショウガと近く植えすぎてしまったし、乾燥気味の土で収量が少なかったので、今年は厚い草マルチと株間をしっかりとることを心がけ、どれほどの取れ高になるか注目である。